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保名 [予習]

 絶賛公演中の海老蔵特別舞踊公演ですが、ど〜も「保名(やすな)」がよくわからん、ということで、本日は観劇前に、ちょっと予習をしてみました。

 確か、数年前に菊之助ちゃんで観たな〜と番附をひっぱりだしたら、ありました。「平成十八年五月 團菊祭五月大歌舞伎」。菊之助ちゃんが「保名」で、海老蔵さんが「藤娘」をそれぞれ初役で演じたのでした。なつかし〜(←こんなこと言ってると、全然予習が進まない〜)!
 その時は、「菊之助ちゃんの嘆きが薄いのではないか」的な感想でした。←「踊りわからず」のクセにね。

 「保名」って、「芦屋道満大内鑑(あしやどうまんおおうちかがみ)」という作品の二段目「小袖物狂い」を題材にしているんですって。「葛の葉」のお話ですね。安倍保名は、恋人の榊の前を敵の陰謀で亡くし(自殺に追い込まれた)、悲しみで気が狂い榊の前の小袖を抱いてさすらってる(←ココが保名ですね♪)。ところが、榊の前ソックリの妹、葛の葉に会って正気に戻って、今度は葛の葉と仲良し(?)に。んで、葛の葉と結婚阿倍野に住んで、子どももできた保名だったんですが、葛の葉は実は信太の森で助けた狐!?本物の葛の葉が来るので葛の葉@狐は、泣く泣く我が子を置いて、障子に歌を書き残し(あの有名なシーンだ!)去る。そんで、その残された子どもが阿倍晴明なのよ〜(エ〜)!そして数々の奇跡を見せるらしいんですが…。
 保名が晴明のお父さんとは知らなんだ、…っていうか葛の葉の亭主だったとは…。不勉強ですみません。

 元ネタがおどろおどろしい(?)のに、そこから派生した舞踊「保名」は、菜の花咲く野辺に美しい男がふらふらと我を忘れて彷徨っている、観念的というか、事故って大怪我した人が見ている夢みたいな世界で(映画ドラマでよくありますよね〜。一面花畑みたいなキレイな風景の中をさまよってる主人公に、遠くから愛する人の呼ぶ声が聞こえて、このままここにいたいけど誰かが呼ぶから、戻らないといけないのかな…みたいな)、ワリと現代的なノリの演出。今の演出は六代目菊五郎さんからだそう。

 玉三郎さんや歌右衛門さんまでやってらっしゃってビックリ!
衣裳は「黒地へ露芝の縫の着付、白地へ紫ぼかしの露芝の長袴、古代紫の病鉢巻」

♪恋よ恋われ中空になすな恋
♪恋風がきては袂にかいもつれ
♪思う中をば吹きわくる、花に嵐の狂いてし、
 心そぞろにいずくとも、道行く人に言い問えど、
 岩せく水と我が胸と、砕けて落つる涙には
♪かたしく袖の片思い
♪姿もいつか乱れ髪、誰が取り上げて言うことも
♪菜種の畑に狂う蝶、翼交わして羨まし
♪野辺のかげろう春草を、素袍袴に踏みしだき
♪狂い狂いて来りける

♪何じゃ、恋人がそこへ来たとは、どれどれどれ
 エエ、又嘘言うか、わっけもない、アレ、あれを今宮の
♪来山翁が筆ずさみ、土人形の仇名草
♪高根の花や折ることも、泣いた顔せず腹立てず
♪悋気もせねばおとなしゅう、アラうつつなの妹背中
 主は忘れてござんしょう、しかも去年の桜時、植えて初日の初回から
 会うての後は一日も、便り聞かねば気もすまず
 うつらうつらと夜をあかし
♪昼寝ぬほどに思い詰め、たまに逢う夜の嬉しさに
 酒事やめて語る夜は、いつよりもツイ明けやすく
♪惜しい別れのきぬぎぬも、月夜がらすに誘われて
 いろを契りて又の夜は、日の出る迄もそれなりに
♪寝ようとすれど寝られねば、寝ぬを恨みの旅の空
♪夜さの泊りはどこが泊りぞ、草を敷寝の肘枕、一人明かすぞ哀れなる
♪葉越しの幕の内、昔恋しき面影やうつり香や
♪その面影に露ばかり
♪似た人あらば教えてと
♪振りの小袖を身に添えて、狂い乱れて
♪伏し沈む

カワイソ〜!

<参考文献>
「歌舞伎名作事典」演劇出版社
歌舞伎名作鑑賞2「歌舞伎名作舞踊」演劇出版社
「新版 歌舞伎手帖」渡辺保 講談社
「平成十八年五月 團菊祭五月大歌舞伎 筋書」
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